Delisu on

ゴミ箱にゴミが投げ捨てられました。

ゴミはゴミ箱の底に沈んで行きました。

底の底まで沈んだゴミは、もうゴミではありませんでした。

そこには赤く輝く炎がありました。

その炎は卵と出会い、やがて尻尾が生えてきました。

尻尾が消え、四肢が生え、頭と胴がはっきりしてきたようでした。

体が大きくなっていって、動けるようになっていきました。

狭いトンネルを抜けると、眩しいほどの光を目に、五月蝿いほどの騒音を耳に入れることができた。

そこからは早すぎる時が流れた。日は上り、月は眠り、空は輝き、星は回る。

何回目だろうか、太陽との挨拶を交わし外に出た。花が咲いている。

こんなちょっとした事でも幸せを感じることができるだなんていいことだよね。

とか言っても争いの多い時代で生きたことなんてないけど。

いつ思ったのかなんて覚えてないけどずっと考えてる夢があるんだ。

物語を作ってみたいってね。

一番最初に、先生に書いたものを見せた時はいろいろ言われちゃった。

語り手が変わるなら段落を分けたりしろ。とか、文末は会話分以外揃えた方がいいとかね。

でもそれのせいで思い描くものとは離れていってるような気がするんだ。

だから今日は絶対説得させてやるって気持ちで行くよ。

卵と出会った炎は燃えています。

それはそれは勢いよく燃えています。

それは太陽のようでした。

しかし太陽に逆らうように動いていました。

やがて炎は地面につきました。

その炎は地面の底に沈んで行きました。

底の底まで沈んだ炎は、もう炎ではありませんでした。

そこには白く輝く液体がありました。

その液体は地面をゆったりと滴っていきました。

 

ある日私が夜空に手をかざすと、不思議な白い液体がぽつぽつと垂れてきた。

その液体はくっついていき丸くなっていった。

小さく鼓動するこの球体を私は大切に飾ることにしよう。       ーーーDelisu