Delisu on

いつかのどこかを歩いていたら小さな公園に出会いました。

入り口は二つあり片方は住宅街、片方は道路につながっていました。

時間は覚えていませんが確か夜の7:00ぐらいだった気がします。

あいにく半袖を着ていたため少し肌寒かったと記憶しています。

公園の中には登り棒と滑り台が合体したみたいな遊具とベンチがいくつかありました。電灯はあったのですが電気がついていませんでした。

この文章はそんな公園のベンチに座りながら書いたのです。

空はここよりは明るく、ここは地面よりも暗い。時折通る車の光に照らされて影が逃げていきます。

車が通らなければここは鳴き声しか聞こえません。

何となく虚無を感じたいと思っていたらいつの間にかここにいました。

ここでは人との距離感もなく、ただただ虚無感が佇んでいました。私は小さな声で挨拶をし、隣に座らせてもらいました。

「今日は少し寒いですね」「そうでしょうね。ここは何もないところですから」「確かに何もないですね。強いていうなら車の音が少々...」「申し訳ない。私はこの場所が好きなだけで他は興味ないんだ。もっと暗くなれば静かになるんだがね」

そんな他愛のない話を10分くらいしたら私の心も空っぽになったみたいです。気づいたらいつもの知っている場所に戻っていました。

彼は、もしかしたら彼女かもしれませんが私の心を空っぽにしてくれる。またいつか会える日を楽しみにしています。

どうですか?少しはあなたも興味が湧いたのではないでしょうか?

私はあの人と虚無感に一生の感謝をしたいと思っています。          ーーーDelisu